それぞれちがぅ①♡
陣くんの行き方は、前タイヤが当たらないウィリー型で行っています。
前タイヤが当たらないと言うけど、この動画は前タイヤが当たっていますよね。でも黒山選手に言わせると「当てないつもりで行って当たったのはウィリー型になり、最初から当てに行くのとは違う」ともうします。
黒山選手が陣くんに指導しているのは「お兄ちゃんの真似をするな」ですね。つまり、お兄ちゃんのような“2段吹かし型”で行くな、という事。話が逆になりますが、次の陸くんの動画を見てください。
この高さは、陣くんのようなウィリー型よりも、陸くんのように2段吹かし型がベストです。2段吹かし型は前タイヤを「最初から当てに行く」のを言いますね。
陸くんは見事に完璧な2段吹かし型で行っていますが「どっちも同じ行き方と違うの」とお思いの民間人の方は「エンジンの音」だけを聞いてください。
陣はアクセルを開けっぱなしでエンジン音が連続的に聞こえていますが、陸くんは最初に前タイヤを浮かすためにアクセルを開けたあと、一度戻して、また開けなおしています。
前タイヤとバイクの動きだけを見ていると「いっしょやんか」でしょうけど、アクセルの音だけを聞くと違いますよね。この差です。
陸くんは「最初から前タイヤを当てに行く2段吹かし型」が得意で、陣くんは「前タイヤを当てないウィリー型」が得意です。
黒山選手に言わせると、2段吹かし型は誰でも出来るようになるけど、つまり、やるのに怖くないからですが、ウィリー型は怖いのでなかなかやろうとしない、そうです。
ウィリー型はかっこう悪いけどどんなステアケースでも行けるけど、2段吹かし型は低いステアケースしか行けない。つまり、小さな恐怖心のないうちにしっかりとウィリー型を身につけさせろ、のご指南。
それぞれちがぅ②♡
先ほどのステアケースよりも少しばかり高いステアケースです。
陸くんはウィリー型で行っていますが、アクセルの音を聞いてみると分かるように、前タイヤがステアケースの上付近に届いた時、アクセルを一度戻しています。つまり、バイクの動きだけはウィリー型なんだけど、やっている事は2段吹かし型ですね。
この高さになると、アクセルを開けっぱなしでないとこのバイクでは登れません。ですので、アクセルを一度戻す2段吹かし型では動画の通り、あと少しのところで届かず登れないのです。
「アクセルを戻すな」と気合を入れられて、泣きながらでも陸くんに再度挑戦させます。根性で後ろタイヤが登りきるまで我慢して、アクセルを戻さなかったのでなんとか登りました。
登ったあとにバランスを崩して左へ転びますが、これは問題ではありませんね。やっていれば、そのうち転ばなくなります。
陣くんのウィリー型の典型みたいなスクール動画です。あきらかに兄貴の陸くんよりも手前で前タイヤをあげて、ウィリーで距離を走っていますよね。
この動画の真髄は、ステアケースの行き方うんぬんよりも、登ったあとに短い足をバタバタついて見苦しく、なんとか出口に向かっていく姿勢です。だから出口まで頑張って行った陣くんに黒山選手が拍手をしているのです。
国際スーパーA級でもたくさんいますよね、花の大技ステアケースは見事に登ったのに、その後に続く簡単な斜面登りが登れずに5点になるのが。
だからこのように、ステアケース単発のみの練習は絶対にさせないで、手前か後に必ず連続ラインを作って練習させるのが大切。