まったく同じセクションを作って、1番と2番に走らせます動画(1)と動画(2)と動画(3)を、まずは御覧ください。
この動画を見て「かわいい~♪」で終わりは、そこでストップ、それ以上の進歩はないのです。
この二人の走りの違いが、お分かりでしょうか??
1番の小学2年の陸の走りと、2番の幼稚園年長の陣の走りの違いはこう。
1)全体的な体の動き/ライディングスタイル
1番の陸は
・全体的にアクセルワークのみで走っており、ボディアクション体の動きはまったくない。
・これはまあ、まだトライアルに慣れていない、立って乗る事に慣れていない、地形に慣れていない、の部分がありますので
おかしな事をやっても、乗っとけばそのうちなおる→そのまま放置
の範ちゅうで、このままやらしておけばそのうち硬さも取れてくるでしょう。
とにかく、まだ動きが硬いですね。
2番の陣は
・“怖がらない”という持って生まれた素晴らしい性格からか、すでに背中が伸びた突っ立ち乗りライディングスタイル。
・路面の凸凹に合わせて体を上下動させているし、イン入ってすぐや、中ほどの登りの手前で、きちんと膝を沈めてリアクッションの伸びに合わせて、動きの遅いうさぎ跳びをしている。
これは大変よろしいので→そのまま放置
2)チェンジをしているか、していないか
私達の時代に「南海の荒法師/和田」というのがいたの。
和田は本人も認める「1速使いの名手」でしたが、やっぱり2速3速も自由自在に操れるようになっていたら、もっと上位に食い込んで私を脅かしていたはず。
女子部にも「チェンジをしないまゆみ嬢」という達人がいて、どこもかしこもどころか、コースを移動するのも「オール1速」で走ります。
だからまゆみだけは60:1の特別混合比、参考までにコースをかっ飛ばすSSDTは50:1なのである。
本人に「なんでチェンジしないの」と聞くと「え~っ、チェンジってするんですかぁ」という、見事なお答え。
トライアルエンジンは「オートマ」ではなく「マニュアル」ですので、その場その場に合わせた適正なギァ位置で走る事は必須項目。
今のエンジンはパワーバンド、使える回転域が広いから2速だけで、1速の領域も3速の領域もこなしてしまいます。
ですが、基本はその場その場を走る一番適正なギアで走る、のがベストだからこの練習をしましょう、という事ですね。
1番の陸は、すべて1速で走っています。
かたや2番の陣は、インは1速で、左ターンした後にすぐに2速にチェンジして、登りを登りきった所の一番危ない難しい所、下りの手前でまた1速に落としています。
よく陣の動画を見ていると分かりますが、2速にチェンジアップする時に「今1速かどうか確認」するために、チェンジペダルを「瞬間一度」踏みつけてから、そして2速にかき上げています。
これは大変よろしいので→そのまま放置
1番の陸は、チェンジをまったくしませんが、これが
-チェンジの意味がわかっていない
-まだチェンジする余裕がない
のかもしれませんが
・当然やらないと、トライアルにならない事をしない→強制的にやらせる
ですので、今後の指導の項目ですね。
動画(3)は、登りで2番陣が失敗して転がり落ちるものですが「危ないことやっとるなぁ~」では、あんたそこまで。
これって、なんでこうなったか分かりますか。
そう、インしてすぐに2速に入れて、登りはもっと高いギアでやってみようと3速にチェンジアップして登ってみたら、登ったはいいけど50cc3馬力しかパワーがなくてバイクが前に進まなくなり、バイクを放り投げて飛び降りたもの。
だから自分から飛び降りてるから、転び落ちるシーンだけを見ると「危ない」のですが、実際は自分で転びにいっている、柔道でいうと投げられにいっている、から何ともないのです。
3)左右のレバー操作
健一がガキ二人に最初に左右のレバー操作のことで教えたのは
・左右ともに人差し指と中指の2本を同時に使う「ピース握り」「Vサイン握り」でやりなさい
・左のクラッチ側は24時間指をレバーの上にかけっぱなしにしておきなさい。使い終わっても、指を元に戻さず、レバーの上に乗せたままにしておきなさい
・前ブレーキの右は、ブーツで踏む後ろブレーキペダルと同じで「使う時だけ指を乗せてやりなさい」「そして、使い終わったら離して、アクセルを全部の指で握ってやりなさいい」
です。
1番の陸は、常に前ブレーキレバーの上に指を乗せていますが、健一に言わせると「それは怖いから、いつでも止まれる保険のため」と申します。
女子部、広島の智恵子嬢は、いくら教えても「右手の指を前ブレーキレバー」から離しません。
理由は「前ブレーキをいつでもかけれる状態にしておかないと不安で走れない」だそうで、これも、智恵子は女子部で生涯なおりません、でしたね。
多分、今でもそうやっていると思う。
・おかしな事をやり始めて、変な癖がついてしまうとなかなかなおらない→強制的にやらさない
ですので、今後の指導の項目ですね。
その点、2番の陣は前ブレーキは「下りで使う時だけ指をかける」ですので→そのまま放置、ですね。
女子部の名古屋の美和嬢、クラッチレバーは24時間指一本でしか操作しません。
うちに来て、指二本のピース握りを教えやらせますが、まったくトライアルになりませんほど、指一本追加しただけで何にもできなくなる。
・おかしな事をやり始めて、変な癖がついてしまうとなかなかなおらない→強制的にやらさない
の指導方針で指導しましたが、コリ固まっていたからすでに時遅しの典型で「癖がつくともうなおらない」の、よい経験をさせていただきました。
4)勝手にラインを変えやがる
2番の陣の動画(2)の最後に、下りで失敗転んでいるでしょう。
兄貴はなんなく下っています。
これって何で転んだか分かりますか。
下りに失敗して転んだわけではないのです。
1番の兄貴陸にライバル意識で対抗しようとして、まっすぐ下るのはもういいから「下ってすぐに右に曲がろう」として、ハンドルが切り込んで失敗して転んでいるのです。
女性は男よりも「言われたことをキチンと守る」習性性格が強いのかもしれませんが、女子部の時に私がセクションを作ってやらせると、何回もクリーンが出ているのに、いつまでも永遠に同じラインを走るのをやめようとしません。
反対に男は「もう、おもろうないわい」と、勝手にせっかく作ったセクションを変えやがる。
ですが、これはこれで成長の証だからいいのである。
(5)今回のおさらい
・おかしな事をやっても、乗っとけばそのうちなおる→そのまま放置
・おかしな事をやり始めて、変な癖がついてしまうとなかなかなおらない→強制的にやらさない
・当然やらないと、トライアルにならない事をしない→強制的にやらせる
これをよく見極めて、今後の指導としてくださいね。
よく見極められない民間人はどうするか。
-それまで、である。
-お金を払って、指導を仰ぐ。
の二つですが、多くのスポーツで頂点まで行った人の両親が普通の人の場合、この「お金を払って、指導を仰ぐ」しかなくて、フィギァスケート浅田真央のお父さんは実入りのいいホストクラブに勤めていたのは誰でも知っている話。
さあお父さん、体を張ってお金を稼いで息子のために使いましょうね~♪
真央のお母さん、心の不安を酒に逃げて肝硬変で、若くしてお亡くなりになりました。
いやはや、スポーツの頂点を極めるのはこれほどに凄まじいものである。
本日はここまででおしまい、また明日には書けるかな~♫