第33回ペガサスカップ杯in淡路島大会参加のご報告


イチローさんが駆け出しで全日本やっていた頃、シリーズ戦全8戦の中に四国大会というのが入っていまして、高知県正蓮寺トライアルランドという高知市を一望できる高台の会場でやっておりました。
当時の高知は「陸の孤島」でして、行きは大阪の南港という港から満席のフェリーで一泊して高知港へ、帰りは「大歩危小歩危」という平家の落人が隠れ住んでいたという山の中のクネクネ国道を延々と走り、香川県の高松港からフェリーに乗って岡山へ渡り、またここから国道2号線を走って大阪まで帰る、というルート。
はい、大阪の家にたどり着くのは、だいたい薄明るくなる朝方でした。関東の参加ライダーは月曜のお昼ごろ帰宅でしょう。

当時でも淡路島は、南は徳島と橋でつながっていましたが、淡路島の北と本州に橋はかかっておおらずフェリー以外に渡る方法なし。ここには、今は橋がかかってなくなってしまっちゃったけど、あの有名な「たこフェリー」が運行していまして、まあ、距離が短いもんで「渡し船」に近く、はい、日曜の午後の便は6時間待ちは普通でした。

政治的な話には踏み込みませんが、淡路島出身で淡路島と神戸に地盤をおく原健三郎という大物政治家の尽力により明石海峡大橋がかかったとは申しませんが、田中角栄先生の日本列島改造論/新潟〜東京の新幹線もそうだけど、まあ、こういう無理難題を押し通す強引な政治家がいないと大規模な土木工事は無理。

今は関西の人にとって、淡路島を通過して徳島や四国全域に渡るのはごく自然のこと。こうなると淡路島は「単なる通過交通だけの島」になってしまい、人が止まらず&泊まらずになって島は潤いません。

主催いたしますパワークラフトさんは、お店が東大阪で生駒山の近くにあり「本当は京都の亀岡か兵庫の加古川あたりでやれば楽なんですけどねぇ〜」ですね。でも四国在住のトライアルライダーのリクエストも多く「本土まではわざわざ遠征しないけど淡路島だったら行きます」の声多数。実際にパドックに駐車している車のナンバープレートを見ると「四国ナンバー」が1/3はありました。

はいこの淡路島でやりますペガサスカップ杯in淡路島は、市町村から補助金は出ていないけど「村おこし島おこし」の意味もあるのです。

●参加者は112人の大集まり。

トライアルの大会に限っていうと、50人集まればトントン、70人で少し潤い、90人で帰りは役員全部で焼肉屋へ、100人超えると御殿が建つ、と言われています。ゼッケンをつけたライダーだけで112人、その取り巻きを入れると倍の220人以上がお集まりになりました大イベントとあいなりました。

でもまあ、前日の土曜に草刈りやセクション作りをやって距離的に島だから自宅に帰るわけにはいかず、スタッフ全員のお泊まり代を考えると御殿は建たんわね。

●白バイ全国大会の訓練生が多かった

以前は、HONDA2stのTLM200で白バイ全国大会のトライアル種目をやっていたんだけど、もうそのバイク自体が生産されなくなり、代替えバイクとしてトライアルバイクでないXR230/HONDAでの戦いとなりました。

一般的なトライアル大会は「トライアル車に限る」ですが、このペガサスカップに限っては「トライアルラインが走れるバイクならOK」クラスがあって、多くの各県警の白バイ選手がお集まりになり腕を磨いておりました。

いっしょに行きました娘の和江が申しますには「お父さん、あの人白バイの人違うの??」と聞きますので、「なんで分かる」と聞き返しますと「姿勢よく、やたら動きがキビキビしている」ので分かるそうです。

奈良県警からおいでの方に挨拶がてらに職務質問いたしますと、今年の大会は我が大阪府警はAクラスどべで、奈良県警はBクラスどべ2だったそう。で、来年に向けてもうすでに訓練継続で遠征しておいでになってるそうでした。

●③番の太陽(たお)には誰も歯が立たない

「男兄弟の三男坊は〜ねぇ」という言葉あるくらいに、三男坊のタオくんは怖いもの知らずです。まあ、孫かわいさのジジバカになりますのであんまり書きませんが、

①兄貴二人にすごいライバル意識を持っている。
②怖いポイントを怖がらずに行く性格は次男の陣ですが、怖いポイントに対して怖さを克服して行く性格がタオくんです。長男の陸くんは、怖いポイントは寒くなった爬虫類みたいに体が硬直して動かなくなります。
③兄貴二人は多少ともダニエルができるくらいには自転車をやりましたが、つまり、ハンドルの左レバーが後ろブレーキを体で覚えている。でもタオくんは自転車経験ゼロで「後ろブレーキは右足で」を、体で最初から覚えているライダーで、バイクに乗り始めるとこの差は大きいのです。

寒い中朝のスタート前のウォームアップに向かうタオくん。初めての大会出場で気合が入っています。父親が「頑張れよぉ〜」と、期待せずにふてくされています。

乗ることだけに関しては豊富な練習量で体が覚えていますが、何せトライアルのルールを知らないうえに大会そのもののルールも理解していません。だから、各セクションを走る前にラインだけ、走る道だけは教えます。
教えたことをきちんとその通りやる幼児の年齢だから、正しく教えてやらないと怖い部分がありますし、何でも習い事というものは「指導者次第」という部分が大きいのです。これは自慢話でなくて、それぞれのお父さんも参考にしてくださいね。

セクションの順番待ちですが、足の短さでその違いがわかります。

次男の陣兄ちゃんのお下がりのRTL50Sを、上手に乗りこなしています。今のところはボディアクションはゼロで、100%アクセルワークのみでバイクをコントロールしていますね。

1位3点
2位6点→太陽(たお)
3位12点
4位14点

10位67点

●小学3年の天才少女がいた

奈良県郡山市からおいでのなつみちゃん、陸くんが小4年で陣が小2年でその間の小3年に天才少女がいたのです。ご覧のスーパーカブのエンジンを乗せた怪しいバイクでの参戦でしたけど、お父さんがご熱心で第2の萩原真理子の有力候補。
身長が学年で一番高くて145センチありまして、トライアルにはぴったし。どうぞこのままトライアルをお続けくださいね。学年が上がって吹奏楽部とかコーラス部に転向なされないよう神に祈ります。

●陸と陣

結果は①番の陸くんが弟の②番の陣に勝ちはしましたが、陣の敗因は「痛恨のエンスト5点」ですね。

②番の陣くんのステアケースですが、指導の通りにステアケースは「つま先乗り」でやってくれています。クラッチレバーはまだ力が弱いので指二本でコントロールしており、前が浮かせにくいのに「慣れ」なのかよく浮かせています。

①番の陸くんのステアケースですが、「登ってすぐに何かをする」場合は「つま先乗り禁止」を教えの通り守って、「土踏まず乗り」でやってくれています。もち、前ブレーキレバーには指をかけてはいません。

これも指導の通りにやってくれている「タイヤ越え」です。黒山選手の指導は「ステアケースや段差越えの時、前ブレーキレバーに指をかけずに行くこと」です。で、次にすぐに止まる時はどうするかというと「後ろブレーキを使いなさい」です。

熟女に近い女性ばかりを指導した女子部の時は、いくら正しい指導を教えてもその通りにはしてくれません。このことは、怖さの部分もありますが、長年人生を生きてきた自分の癖はなおらない、部分が大きかったですね。

先代ブラック団で成功したのは幼児をさらってきて教え込んだことにありまして、2代目ブラック団も幼児から教え込んでいます。先に書いた通り、教えた通りにやりますので正しく教えることが一番大切。

ここで確認です。先代ブラック団はイチローさんが教えました。でも、2代目ブラック団は黒山選手が教えています。いかにもイチローさんが教えているようにみえますが、実はすべて黒山選手に「この場合はどう教える、どうやる」を聞いて、その通りに言い伝え教えているだけの話です。
口で教えても理解できない場合は、黒山選手との合同練習の時にじかに模範演技をしてもらっています。たとえイチローさんに出来ることであっても、ジジイは模範演技を見せません。

イチローさんの時代のトライアルと、黒山選手の今の最先端のトライアルは「機械も頭も体格」も違うのです。これをよく理解しないと「過去の経歴のすごいジジイが教える」ことになりますよ。ご注意です〜。

1位0点
2位1点
3位2点
4位3点
5位7点→陸くん
6位7点
7位8点→陣くん
8位10点
9位10点
10位13点

40位??

次の幼児3人の大会参加予定は

11/26 和歌山県湯浅町 ノーリミット大会→黒山選手も参加
12/3 岡山県原滝山 忘年会岡山県大会
12/17 京都府亀岡市 トムスカントリー大会
1/3 岡山県倉敷市粒江 岡山県大会

「大会に出ていい成績を出す」→「いい成績を出して将来の職業とする」のために、トライアルをやるという明確な目標です。

先代ブラック団でさらってきて殴るけるをやって、結果現在、トライアルを職業としているのは、ガッチ小川、黒山、藤波、野崎、小野の5人。解散する最後まで生き残ったブラック団8人中5人がトライアルで生活していけるのは、指導者としては嬉しい限りです。

自画自賛になりますが、この間の全日本最終戦すごう大会、スーパーA級で小川と野崎と最後まで戦い、最後に健一が勝ち、国際A級で小野くんが勝ち、本当に泣けてきますよ。この感動を次に続けるためにも、次のライダーを育てている次第です。

蛇足ながら、一人のライダーに一人のサポート(たとえ水持ちバイク持ちでも)が必要で、今回は3人のライダーでした。長男の陸くんには娘の和江がつき、次男の陣にはイチローさんがつき、三男のタオくんには二郎がつきました。

こう申しては主催者のパワークラフトさんには申し訳ないですが、「お楽しみレベルの大会」でもお父さん一人で3人どころか2人でもサポートは無理。昔の右翼の信念「一人一殺」ではないですが、「一人一人付き」でないとまともなトライアルは出来ません。
トライアルは一人でやりますが、ある意味中国の得意とする人海戦術も必要ですね。