今はパナソニック一本になってしまったけど、その昔はナショナルと松下電器の両方の名前を使っていました。
荒っぽくですが、パナソニックもナショナルも松下電器も商標名が違うだけで同じ会社です。
Sherco(シェルコ)とScorpa(スコルパ)は同じ会社というよりも、もともとスペインにシェルコがあって、フランスにスコルパがあって、スコルパが倒産したからシェルコが買い取った、というのが正しい。
もともとスペインにモンテッサがあって、日本にホンダがあって、モンテッサが倒産したからホンダが買い取った、というのと同じです。
1年と半年、孫の①番と②番が30年前のRTL50Sの50ccに乗ってトライアルの基礎のお勉強をしていましたが、もう50ccではやり残したことがないということで、6月から最新鋭’17年タイプのシェルコ125とスコルパ125に乗り換えました。
ガッチ小川選手は中2で、黒山選手は小6で、藤波選手は小5でトライアルを始めましたが、①番は小4で②番は小2です。
兄弟でトライアルをやる場合、兄弟が同じバイクでない場合は部品供給に悲惨で、知っている限り、いずれ同じバイクにしてしまうか、片方が乗り換えるバイクを嫌っている場合はトライアルをやめてしまいます。
全日本パドックを見てもらうとお分かりの通り「黒山選手はヤマハTYS250Fi」で、「野崎選手はシェルコ300」で、「平田兄弟はスコルパ300」で、3メーカが同じ並びのテントで仲良くやっています。
政治的なお話はどうでも、ヤマハとシェルコとスコルパは仲がいいのです。
ということで、ヤマハはボスこと黒山選手が乗り、シェルコ125は①番の陸が、スコルパ125は②番の陣が乗るという色とりどりメーカー模様。
「兄弟でトライアルをやる場合、兄弟が同じバイクでないと悲惨」と書きましたが、シェルコとスコルパは着ている服(外装)が違うだけで中身はまったく同じものです。
それはそうで、作っている場所(会社)が同じ所だから基本的には同じバイクで、ほとんどの部品に互換性あり。
私達、黒山チームの基本的な考え方は「メーカーが作ったバイクの性能を、勝手に田舎のメカ自慢がいじくるな」です。
ですが、BetaMotor社長のラポさんが言うように「多少は町のバイク屋さんがいじれる部分を、残しておいてやらないと町のバイク屋さんが儲からないしバイクを売ろうとしない」部分もあります。
この、多少残してやっている、いじれる部分というのは「フレーム関係の部分」が多いしほとんど。
で、以後、田舎のメカ自慢の域を出てはいませんが、当社でシェルコとスコルパの、というよりも同じエンジンだから、部品名だけでいじった部分の紹介していきますので参考にしてくださいね。
⚫︎後ろブレーキのこと
後ろブレーキペダルは、四つの改良ポイントがあります。
- ボスのカラーが、面接触の銅製ブッシュである。 →耐久性がなく、すぐにガタが出る。
- この部分左右にオイルシールもOリングも何もなく、耐水性がゼロである。 →防水性がなく、すぐにガタが出る。
- 踏んだ後に上に上がってくるストッパーが何もない。 →常にグラグラしている。
- 好みによりますが、踏む部分の鉄わっかが小さい。 →とっさの場合、踏み外す可能性がある。
下側のが純正の銅製ブッシュで、上側が穴径を少し大きくして打ち込む「左右オイルシール付きローラーベアリング」です。この交換により、耐久性と防水性が大幅に向上します。
⇒2,500円 *ベアリング代込み
スタンダードの踏む所ですが、経験上、少し小さいですね。
それと、付ける部分があるのに踏んで上がってくるストッパーが付いていません。
これは身長130センチの①番と②番の小さい足用に後付けで改良した踏む所です。黒山選手は外側に後付けでもっと出して付けています。
⇒3,000円 *かしめ式ピンを、取り外し式の割りピン方式に変更込み
踏んで上がってくるストッパーも付けています。もともと付けるべきふくらんだ部分が最初からあるのに、なぜ付いていないんでしょうね。
だから、後付けで5ミリのボルトを付ける工作は、タップを立てる(ボルト穴を作る)だけだからけっこう簡単ですね。
⇒1,000円 *ストッパーの皿ボルト込み
リアクッションの下側左右に付いている、この部品のことを「リンクアーム」と申します。
★右側
後ろブレーキのボス部分と同じく、動く(滑る)部分に防水も何もないセンターガイドブッシュが単純に打ち込んであるだけです。後ろブレーキと同じくというよりも、ブッシュ自体が薄く、受ける衝撃も大きいのでもっと早くガタが出てきます。
★左側
改良は、上下二ヶ所ともに穴径を少し広げて「左右オイルシール付きローラーベアリング」を打ち込みます。
⇒6,000円 *ベアリング代2個込み
この交換により、耐久性と防水性が大幅に向上します。
部品をはずして送ってくださいね。すぐにやって送り返します、です。
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