ミタニ鈴鹿とミタニ神戸で販売しておりますオランダ製「トライアル用REIGERリアクッション」の、オーバーホールと修理を始めました。
リアクッションならどこのメーカーのも同じとお思いの貴兄、それは一昔前の時代のお話で、今の時代はというよりも、本題のREIGERに限って言うと最新機能満載で、かつ複雑構造のリアクッションなの。
REIGER、小さなガタイにたくさんの機能を満載しているのはいいのだけど、普通に乗る分には問題なしでも、小さなガタイだもんで限界を超えた衝撃ショック、つまり「ドカーン!！」って、後ろタイヤ直接当てステアケースなんかをやると、いきなりスコスコになってしまうことがあります。
このスコスコの原因は「オイル室の中に仕分けしている高圧チッソ室からチッソが漏れこんで、オイルが泡でシャバシャバ」になってしまうのが原因。
この現象は別にREIGERだから起こるわけではなくて、リアクッションならどのメーカーのもあって当たり前の現象で、それが早いか遅いかだけな話。
ただ問題は、先に書いたように小さなガタイにたくさんの機能を満載しているので、分解組み立てに何種類もの特殊工具が必要なのと、複雑なオイル通路内部から完全に空気を抜いてしまうのが手作業の場合は至難の技になるということ。
ですんで、当社は「ややこしいことには手を出さない」という正しい会社方針を貫き通し、REIGERのオーバーホールと修理はこれまでパスさせていただいておりました。
どっこい、うちの選手が今シーズンからこのREIGERをテスト的に使うようになり、やっぱりスコスコになるもんで背に腹は変えられず、自社でオーバーホールと修理をいたさざるを得ない状況にあいなった次第。
REIGERのリアクッション、器用なバイク屋さんなら誰でもできるというわけにはいきません。単純に最低でも4種類の特殊工具がないと無理。これはバラシ組み立てが出来ないということではなくて、特殊工具を使ったその手法がないと「オイルの中の空気が完全に抜けない」という意味。
それと、従来のノズル式高圧チッソ充填装置では高圧チッソが入れられない、というハンディもあります。
逆に言うと「あれば器用な人なら誰でもできます」ですね。
はい、REIGERそのもの自体は、ミタニ鈴鹿かミタニ神戸からお買いください。当社では、取り寄せての販売はいたしません。
使っていてスコスコになった、なったような気がする、なっていないけどオイル交換をしたい、うんぬん等々ございましたら当社にリアクッション単体取り外してお送りください。レスポンスよく対応しますのでおまかせ下さいね。
オーバーホール→12,000円(送料サービス)
※シールキット．テフロンリング．各部部品の在庫もあります。
なお、このREIGERは、内部のシム等をいじりましてのセッティング変更 、いわゆるちまたでいうリアクッションチューニングはする必要がありません。
なぜなら
1．早く沈む時のダンパー調整→ステアケースなんかのこらえ
2．ゆっくり沈む時のダンパー調整→ガレ場や沢を走る時のこらえ
3．伸びる時の伸び具合調整
の3つの動きをそれぞれ別系統で分離して調整変更できるようにしてあり、そしてその調整範囲がすごく大きいからです。だから「最新機能満載で、かつ複雑構造のリアクッション」ですね。
REIGER以外のリアクッションは、動き調整機能のアジャスターはひとつだけで「沈みも伸びも同時に利く」というのが、コスト的に今の主流。多くの民間人皆様は、このアジャスターを全ユルにして乗っています。
どっこいこのREIGER、3つある動き調整アジャスターすべてを全ユルにしては、とても乗れたものではありません。
ということで、うちでオーバーホール時にこの3つのアジャスターを、あなたの腕前と体重をお聞きして、うちのテストライダーのセッティングを基準として正しくセッティングしてお送りいたします。
★大切なこと
1)黒山選手は10年以上前に肩の脱臼癖を治すために手術をしました。完全回復までに約1年かかりました。回復後、これでもう脱臼しなくなったわけではなくて、元の体機能に戻っただけです。無理をすれば脱臼する時は、また脱臼します。
リアクッションのオーバーホールと修理もこれと同じことで、元に戻っただけで、またいずれ必ず高圧チッソがオイルの中に漏れこんで動きがスコスコになります。
こうなるとまたオーバーホールと修理で、これの繰り返しでしのいでいく、ということをご理解くださいね。うちの選手の乗り方で「2ヶ月もてばラッキー」です。
2)同じREIGERのリアクッションでも、松竹梅の3種類が市販されています。
松→アジャスター3箇所/伸び、早い沈み、遅い沈みの3箇所別々調整可能
竹→アジャスター2箇所/伸び、沈みの2箇所別々調整可能
梅→アジャスター1箇所/伸び、沈みの1箇所同時調整のみ
ですので、今回ご紹介しているREIGERは「松」の最上級リアクッションの場合はという話で、もしあなたのREIGERにはアジャスターが二つしかついていないのなら、それは「竹」仕様で、一つだけだったら「梅」ですね。
〒666-0143 兵庫県川西市清和台西1-1-7 Tel＆Fax 072-799-0830
株式会社黒山レーシング：レーサー整備室長.黒山二郎
