夢に向かって、その8

「女・子供」っていう言葉があって、意味するところはいろいろあるだろうけど、一番の共通点は「弱者」だと思う。

「命の優先順位」の事を“トリアージ”と言いますが、語源はフランス語で「救命で助ける場合の選別」の意味。
「女と子供」はトリアージの最優先順位の1番で、私のような“老人で男”は優先順位なんてなくて“無視放置”ですね。

救命隊は「黒.赤.黄.青」の4色シールを持っていて、救命現場に駆けつけて救助を待つ人々にパッパッっと貼っていくそう。
黒は何をしても助からないから無視、まずは最優先で治療に当たるのは赤、次が黄、ひと段落まで自分でなんとかしてもらうのは青なんだって。
間違いなく私は、ひたいのど真ん中に“黒”を貼られますね。
名前も、そのものの“黒”だし。

女子部をやってみて、何度も書いているけど

・直さないといけない事
・やることをやらない事

があって、この二つは「夢に向かって」の為には、絶対に“赤シール”で、絶対になんとか治療する必要あり。
「男なら簡単に行くけど、何故か女は行けない」パターンが多々あって、和 江にその理由を聞くと

・力がない
・怖い

んだって。

1番と2番の孫二人、この二つ「力がないのと怖い」は“赤シール”だから、今のうちからガンガンそのパターンをやらせておけばいいんじゃないか、という理由でガンガンやらせているの。

⚫︎アクセルを開けない

女性の最大の特徴は「アクセルを開けない」事です。
理由はたくさんあると思いますが、女の人お相手専門のお商売をしてはるどすえの選手会長、京都の小谷さんに言わせると「それは女だから、ですよ」の一言が結論。

「アクセルを開けないと絶対に登れない」練習セクションを作って、いくらやらせても「その開け方では登らんやろう」の開け方しかしません。
当然、半分くらいしか登れませんね。

健一が小6でトライアルに転向した時に、少年チームブラック団全員が最初に乗ったのは「BetaTR/35の50cc」です。
このエンジンは「モトクロスやエンデューロも出来ますよ」というエンジン性能で、下のピクアップよりも上の回転がよう回るようなエンジン性能。

今、孫の1番と2番が乗っているのは国産RTL50Sで、これは「子供が乗っているのを親が見て、目を細める」安全第一のお子ちゃまバイク。
50ccの小排気量トライアルは「まずは回転がブン回らないと話にならない」んだけど、テケテケテケとしか走りません。
普通50ccは最低でも5馬力はあるんだけど、これは3馬力で、いかに性能を抑えているか丸わかり。

NSR50の高回転ピストンを入れて、一次と二次の圧縮を上げて、排気ポートをでかくいじり、点火系CDIをNSRのと交換、ビックキャブレターにも交換、サイレサーを筒抜タイプにし、とりあえずのフルチューニング。
これでトルクが出て少しだけ上は回るようになりましたけど、予想どうり、下のピックアップは少しなくなりました。

この斜面、バイクの車格ホイル径と子供の身長からすると、けっこうな急斜面ですし、とにかく、アクセル全開でぎりぎり届くのをやらせないと意味なし。
見ての通り、全開で突っ込ませますが「2速と3速」を交互にやらせて、そのギア選択の違いもお勉強。

この年齢では「アクセルを全開にする」という事と「股の下のエンジンが唸りを上げる」という事は、怖がっていないし怖がらない、みたい。

1番の陸は見事に上がっていますが、ここまでに何度下にまくれ落ちた事か。

2番の陣ですが「登れてないやんか〜」でしょうし、危ないけど、これが最高の練習内容なの。
赤ちゃんの時にしっかりとお母さんが抱いてやるのが大切と同じで、子供の時にしっかりと何度も何度もバイクで転ぶ、転がり落ちるのは、とっても大切な練習内容。

女子部ではこれは無理でした。
だって、いくら言っても「転ぶ」ような走りはしませんもん。

それにしても年長さんの2番.陣は、よく転びますねぇ〜。
女子部で、このバイクが上でまくれて、自分は下まで転び落ちは見た事なし。

この急斜面の登りっこ練習で、アドバイスは必要なし。
何度も何度もやらせると、自然と「登りきるためには」の方法を、体が勝手にやるようになるみたい。

・教えてやる必要のある練習と、教えてやる必要のない練習、があるのです。
・教えてやる必要のない練習は、放し飼い練習、とはまた違うのも面白いですね。

本日はここまででおしまい、また明日には書けるかな〜♫